拓殖大学 総長 森 本 敏 先生
テーマ: 人間として生きるための心得
令和3年3月18日(木)に本校の2年生を対象に総長講話を開催しました。今年は、コロナ禍により、感染防止のため各教室の放送設備を利用しての開催となりました。
まず宮川耕一2学年主任から森本総長の紹介がありました。
総長は、防衛大学校理工学部を卒業し、防衛庁に入省され、昭和54年外務省に入省(在米日本大使館一等書記官、情報調査局安全保障政策室長などを務められました。)、一貫して安全保障の実務を担当。専門は、安全保障、軍備管理、防衛問題、国際政治です。
その後、平成4年野村総合研究所主席研究員を務め、慶應義塾大学、中央大学、政策研究大学院大学などの講師等を経て、平成12年に拓殖大学国際学部教授、同大学海外事情研究所所長、特任教授を歴任され、平成21年8月初代防衛大臣補佐官、平成24年6月には、民間人として初めて第11代防衛大臣に就任されました。
平成28年3月から拓殖大学総長に就任され、平成29年8月から約1年間、防衛大臣政策参与も務めていました。
講話の要旨
高校時代において学んでほしいことが三つあり、ひとつは英語。どんな職についてもどんな学問についても英語で考え、話すことが必須要件となってくることがある。そのためには、特にヒアリングの力が重要であり、次に書く力(文法)、次に読む力を身につけてほしい。
二つ目は、日本史、世界史など歴史を学ぶこと。日本が世界とどう関わってきたか日本を語る際には、世界史を知らないと語れない。歴史は積み重ねであり、過去の歴史と切り離すことはできず、歴史を知ることは大切である。また、歴史を振り返ることでこれから先の将来を予測することができる。
三つ目は、人に自分の考えを伝える能力、プレゼンテーション能力を身につけることが大切である。これを身に付けるためには、知識と考える力が必要になってくる。新聞のある記事を読んで、自分はどう考えるか、他の人に説明するために1、2分で話せるよう要点をまとめてみるのもひとつの方法である。
既に大学への進学を考えているころと思われるが、大学は、物事の真理を学ぶところであり、大企業へ就職するために行くのではなく、学問を学んでほしい。自分の将来の仕事を見いだすとき、大企業に入社しようということより、自分の学問と起業することをどう結びつけるかを考えたり、また、自分で生涯をかける天職を探したりと自分の考え、自分の人生の意味を見出すことを高校、大学を通じて短い時間の中で真剣に考え、人生を作って行ってほしいとのことでした。